宿泊療養施設内の個室=松江市北陵町
宿泊療養施設内の個室=松江市北陵町

 新型コロナウイルス感染症の軽症者や無症状者を受け入れるため、県が松江市北陵町に整備中だったプレハブの宿泊療養施設が14日完成した。80室を備え、医療提供体制の充実につなげる。

 民間企業からのリースで県営工業団地「ソフトビジネスパーク島根」内に設け、宿泊棟2棟(延べ床面積計約1300平方メートル)と脱衣棟、管理棟で構成。

 80室の個室は6畳でユニットシャワー、トイレ、テレビ、エアコン、冷蔵庫、内線電話などを備える。

 入所対象者は医療機関に10日程度入院した人のうち、高齢、基礎疾患などの重症化リスクがないと医師が判断した軽症者と無症状者。対象者が現れ次第、受け入れ、管理棟に常駐する看護師と県職員が体調確認や食事の提供をする。

 リース契約は2023年3月末までで、事業費の見込みは約4億4千万円。財源は国の緊急包括支援交付金を充てる。

 県は療養先として県有施設2カ所に加え、民間のホテルを確保していたが、感染の長期化を受け、安定的に活用できる施設が必要と判断。整備を進めていた。

 県健康福祉部の田原研司参事は、コロナ感染「第5波」と感染力が強い変異株「デルタ株」に備える必要があるとし「病床のみに頼らず施設を有効に活用したい」と話した。 (中村成美)