中華航空の子会社で台湾の格安航空会社「タイガーエア台湾」が、米子空港(境港市佐斐神町)と台湾・台北の桃園国際空港を結ぶ週2往復の定期便の来年1月中旬就航を目指し、鳥取県や国と最終調整していることが23日までに分かった。実現すれば同路線の定期便は初めてで、10月27日からの冬ダイヤで米子空港の国際定期路線はソウル、香港に次ぎ3路線目の運航となる。
同社と県は2023年9月に覚書を締結し、将来の定期便就航に向けて水面下で協議を進めていた。平井伸治知事が29日に同社を訪れ、改めて就航を要請する予定。平井知事は取材に対し「交渉が今、ヤマ場に差しかかっている。すぐに結論は出ないかもしれないが、良い方向に持っていきたい」と話した。機材は180人乗りを想定している。
新型コロナウイルス禍を経て訪日需要が高まる中、25年の大阪・関西万博を控え、米子空港の国際路線が活性化している。現在、韓国のエアソウルが週3往復でソウル便を運航し、今秋以降に2往復以上の増便を検討。冬ダイヤからは香港のグレーターベイ航空が週3往復での運航を予定する。
さらに平井知事は23日、中国の上海吉祥航空の幹部とオンライン面談し、20年に運休した米子-上海路線の再開について前向きな回答を引き出した。
平井知事は「(大阪・関西万博で)訪日需要が高まる。関西国際空港のキャパシティーは限られ、近接する山陰の空港の活用を売り込むチャンスだ」と強調した。
(岸本久瑠人、桝井映志)