初公開の秦佐八郎博士の胸像を紹介する顕彰委員会の大森庸司さん=益田市本町、市立歴史文化交流館・れきしーな
初公開の秦佐八郎博士の胸像を紹介する顕彰委員会の大森庸司さん=益田市本町、市立歴史文化交流館・れきしーな

 梅毒の特効薬を発見した益田市美都町出身の医学博士・秦佐八郎(1873~1938年)の恩師で、微生物学者の北里柴三郎が新千円札の肖像となったことを記念し、企画展が同市本町の市立歴史文化交流館・れきしーなで開かれている。秦の孫が寄贈した胸像など初公開品2点もあり、北里と秦ら弟子の功績を伝える。9日まで。

 約30点を展示。東京の北里柴三郎記念博物館が所有するパネルや写真のほか、7月に東京都に住む秦の孫が市に寄贈した胸像、ともに梅毒の特効薬「サルバルサン」を発見したパウル・エールリッヒ博士の肖像画を初公開した。胸像は秦が北里研究所の副所長時代に門下生から贈られたという。

 2日は有志らでつくる秦佐八郎博士顕彰委員会の大森庸司さん(74)が、会場近くの益田小学校4年生に解説。破傷風菌の純粋培養に成功した北里の研究や、秦が市内の古刹(こさつ)・医光寺(益田市染羽町)にあった私塾で英語を学び努力したことを紹介した。話を聴いた椿彰人さん(10)は「秦博士はたくさん勉強して、病気を治す発明をしていてすごい」と話した。

 無料。火曜日休館。開館時間は午前9時~午後5時。

(藤本ちあき)