4日の午前6時半ごろと午後6時5分ごろ、島根県川本町川本の県川本合同庁舎近くで体長約60センチのクマが目撃された。けが人はいなかった。合同庁舎は川本町役場に隣接しているほか、近くに島根中央高校があり、町や県、川本署などが警戒している。
同日午前は合同庁舎の男性警備員が巡回中に「ポリポリ」という音を聞き、見上げたところ、クルミの木に登って実を食べている幼獣1頭を発見した。近くの茂みから別の個体の鳴き声も聞こえたという。同日午後も同じ場所から山に立ち去るのが目撃された。
町中心部でのクマ出没に町は告知放送やLINE(ライン)で町民に注意を呼びかけた。町教育委員会は小中学校に連絡し、児童生徒に注意喚起した。坂根尚美教育課長は「今後の出没状況に応じて対応を考えたい」と警戒を強めた。
目撃場所から直線で約60メートル先に校庭がある島根中央高校は同日午前の校庭利用を控え、生徒に集団での登下校を呼びかけた。
川本署員は登下校時にパトカーで警戒し、県はクマの隠れ場所にならないようクルミの木周辺の草を伐採する。
町役場の隣に暮らす中村正弘さん(87)は「この場所でクマが目撃されたのは初めてで驚いた。人に被害が出なければいいのだが」と不安を口にした。
(佐伯学)