松江テルサ
松江テルサ

 松江市がJR松江駅前(松江市朝日町)の複合ビル・松江テルサを撤去する構想を示したのに対し、11日の市議会一般質問で保守系会派「松政クラブ」(7人)の議員から撤去は不要との声が上がった。市は保守管理に年間数千万円を要しているとして、将来的な撤去が必要との認識を改めて示した。

 テルサは鉄筋コンクリート地上7階、地下2階建てで、ふるさと島根定住財団などが入る。市は8月下旬に公表した駅前整備の指針となる「デザイン案」の素案で、将来的に撤去し、一部機能を一畑百貨店跡地に民間事業者が整備する複合施設に移す構想を示した。

 市議会本会議の一般質問で松政クラブの三島進議員が「約20年しか経過していない建物で老朽化しているとは言えない」と指摘。内部の改修は検討が必要としつつ、鉄筋コンクリートの建物自体は活用できると訴えた。

 市はエレベーターや防災システムなどの更新で費用負担が出ているとし、上定昭仁市長は「改修費がかさんでいる。残すより老朽化を踏まえて撤去すべきだと考えている」と述べた。

 市まちづくり部によると近年の主な大規模改修にかかった事業費は、屋上の防水にかかる改修工事(2017~18年度)で計3600万円、防災監視システムの更新(19年度)で4600万円、エレベーターの更新(22~23年度)で6600万円などという。(佐々木一全)