第五章 政変・露と消え

 点前座(てまえざ)に座る忠興が、宗是に語りかける。

「わが長岡家は織田信長公ご存命の頃より、宗是殿に格段のお世話にあずかり申した。父・(幽斎)玄旨からも、お会...