50年ぶりとなる聖徳太子像の公開をPRする住職の内田広平さん。後方の聖徳太子堂に像が安置されている=松江市竪町、信楽寺
50年ぶりとなる聖徳太子像の公開をPRする住職の内田広平さん。後方の聖徳太子堂に像が安置されている=松江市竪町、信楽寺

 聖徳太子にゆかりがある松江市竪町の信楽寺が22日から25日まで、所蔵する太子像を50年ぶりに一般公開する。父である用明天皇の病気の治癒を願う様子を表した像とされ、住職の内田広平さん(59)は「太子が願ったように、一日も早く新型コロナウイルスが収まることを祈りたい」と話す。 (片山皓平)

 内田さんによると、像はもともと隠岐諸島にあり、松江藩主・松平直政が夢のお告げを受け、藩の作業場の守護として松江城下に運んだという。経緯は不明だが、その後寺に移された。

 像は高さ約40センチの立像で香炉を手に持つ。16歳の姿で「孝養像」と呼ばれる。

 1877(明治10)年に再建された「聖徳太子堂」に祭られており、公開日は外から堂内に安置された像を見ることができる。

 公開に合わせて、22日午後1時半から太子が制定に関わった十七条憲法の写経体験ができ、22、25の両日にはあんどんをともす。太子像を描く限定朱印のほか、寄付に応じて特製マスクや腕輪念珠などの記念品がもらえる。開帳時間は午前8時半~午後8時。

 今年は太子没後1400年に当たる。太子像の公開は50年に1回だが、内田さんはコロナ禍で足を運ぶことをためらう人もいるとみて、来年の公開も検討する。