東日本大震災から10年。甚大な被害に遭った現場から報道を続けてきた岩手日報社の佐藤晋編集局次長兼報道部長、河北新報社の今里直樹編集局報道部長、福島民報社の円谷真路編集局報道部長、福島民友新聞社の中田和宏編集局報道部長の4氏が被災地の思いを寄稿した。 2400人が500人ほどに―。この減少ぶりを被災地のこの10年の縮図ととらえている。
岩手日報が東日本大震災1年の2012年3月11日に始め、これまで死者・行方不明者3480人の人生の一端を伝えてきた追悼企画「忘れない」で取材に協力いただいた遺族が2400人。16年にこの全員に面談と郵送で行った犠牲者行動調査への回答は1549人。その後も毎年、抽出調査を行ってきたが、現在も「つながっている」のは500人ほどというのが取材班の実感だ。
仮設から集約された仮設、...