営業時間短縮の張り紙を出す経営者=米子市角盤町1丁目、四川中華GOCHI
営業時間短縮の張り紙を出す経営者=米子市角盤町1丁目、四川中華GOCHI

 米子市中心部の飲食店を対象にした営業時間の短縮要請が21日始まった。山陰両県初で、8月3日までの2週間。多くの飲食店が応じる構えを見せ、鳥取県が求める午後8時を境に繁華街の明かりが次々と消えた。

 中華料理店「四川中華GOCHI(ゴチ)」(米子市角盤町1丁目)は午後10時の閉店時間を繰り上げ、午後8時に従業員が出入り口の鍵を閉め電気を消した。

 市内で新型コロナウイルスの感染者が急増した14日ごろから100人以上のキャンセルが発生し、盆期間までの団体予約はゼロ。

 遠藤智美社長は「客が来なければ開けている意味がない」と話し、収入を求める従業員には昼の営業時間の拡大や、雇用調整助成金の活用で対応する。

 米子市朝日町の繁華街に位置する焼き肉店「焼肉一八」も従ったものの、突然の要請だっただけに、連休を見越し仕入れた食材の在庫がだぶつく。湖山雄太店長は「夜に稼げない分、弁当の宅配やテークアウト、通販で売り上げを確保したい」と述べた。

 時短は、市内で新型コロナの感染が急拡大したことを受け、県が約600店舗を対象に要請。事業規模や売上高実績に応じて日額2万5千~20万円の協力金を支払う。

 県は巡回で協力を呼び掛け、既に休業に入っていたり経営者が不在だったりした場合を除いた169店舗中、77%に当たる130店舗が応じると回答。

 22%の37店舗が協力を検討するとし、既に予約が入っているなどの理由で「対応が難しい」と答えたのは1%の2店舗だった。 (岩垣梨花)