注文を待つ間に作品を観賞する利用客=松江市浜乃木6丁目、御華門
注文を待つ間に作品を観賞する利用客=松江市浜乃木6丁目、御華門

 和食料理店「御華門(みかど)」(松江市浜乃木6丁目)で客同士の間隔を確保するため使用していないテーブルを活用し、地元作家の美術作品を並べる「店内展示会」が始まった。新型コロナウイルス禍で生まれた制約を前向きに生かす仕掛けで、来店客からは食事と鑑賞をセットで楽しめると好評だ。 (今井菜月)

 山陰両県在住のアーティストでつくる「山陰効果団地」の所属メンバーを中心に、作家6人の造形、絵画など40点以上が店内に並ぶ。こて絵作家の大櫃(おおびつ)孝之さんや筆文字アートの河田広樹さんらが参加し、作品を身近に楽しむことができる。

 グループの安達元紀代表(43)が食事に訪れ、感染症対策で1台おきに使用していないテーブルのスペースを有効活用できないかと店側に打診し、実現した。

 来店客は、注文した料理を待つ間や食事後に作品をじっくりと鑑賞。源連城(れんじょう)さん(80)は「すごく気持ちが和んだ。子どもやお年寄りはきっと喜ぶと思う」と満足した様子だった。

 展示は月末までの予定で、御華門オーナーの安達和弘さん(35)は「暗いニュースが多い中、いっときでも笑顔になってほしい」と話した。

 営業時間は午前11時~午後9時。