子どもたちが使っていた人形の供養祭がこのほど、鳥取市新品治町の玄忠寺で営まれ、参列した約30人がひな人形や市松人形など約5千体に感謝の思いを込めて手を合わせた。
供養祭は、人形のはなふさ(鳥取市湖山町東3丁目)が主催。1977年に始まり当初は隔年で開催だったが、近年は依頼が増えたため毎年開かれている。
寄せられた人形は、本堂に並べられ、中には外国製やアニメキャラクターの縫いぐるみなどもあった。同寺の田中博道住職(53)が、人形の魂を抜く「浄梵(じょうぼん)供養」を施すと、参列者が順番に焼香をした。
以前は、同寺で火入れをしていたが、プラスチック製の人形なども寄せられるようになったため環境に配慮し、現在は同社が回収して処分している。田中住職は「子どもの成長と無事を願う人形に最後のお別れをする場になった」と話した。(小林竜大)