東日本大震災から10年。災害に強くしなやかに対応する強靱(きょうじん)化の取り組みは進んだのか。次の災害に対するこの国の備えはできたのだろうか。現状と課題を探った。 南海トラフ巨大地震や首都直下地震では最悪の事態を想定した被害想定がまとめられ、自治体による対策に国の支援も導入された。この結果、多くの地域では津波から逃げるためのタワーや道路が整備されるなど、避難のためのハード整備はほぼ終わっている。

 防災・減災を進めるために国土強靱(きょうじん)化基本法も制定され、今後5年間も含めて8年間で計22兆円規模の事業が実施される。だが、それで十分とは到底言え...