長崎で被爆し、戦後は女子教育のための大学設置や被爆者の社会福祉事業に力を尽くした出雲市斐川町福富出身の江角ヤスさん(1899~1980年)の足跡をたどるパネル展が22日、同町原鹿の旧豪農屋敷で始まった。24日まで。
江角さんは現在の東北大学の学生時代にカトリックに入信。欧州留学を経て1935年、純心女学院を創立した。45年、長崎に投下された原爆で被爆し、戦後は家族を亡くした人のための原爆ホームを設けるなど福祉にも尽くした。
パネル展は久木と直江のコミュニティセンターが平和学習会として企画した。江角さんの学生時代や長崎市での活動の様子などをまとめた20枚のパネルを展示した。
中部小学校の6年生約70人が見学に訪れた。前・久木コミュニティセンター長の伊藤勉さん(68)=出雲市斐川町原鹿=や江角さんの親戚にあたる江角朋枝さん(80)=同町福富=らが江角さんの生涯について話した。三島維夏(ゆいか)さん(12)は「今まであまり知らなかった江角さんのことを詳しく知りたくなった」と話した。
23日午後2時から「平和の集い」があり、斐川西中学校合唱部による合唱と、久木方言同好会による戦争の記憶を語る会がある。(佐藤一司)