パラクライミング日本代表の岡田卓也さん(34)=大阪市在住=が5日、母校の出東小学校(出雲市斐川町三分市)で講演した。障害に負けず競技を続けてワールドカップ(W杯)で表彰台に立った経験を通して、目標に向かって努力する大切さを児童に訴えた。
岡田さんは小学3年の時に髄膜脳炎を患い、体幹機能と右手に障害がある。5年前に競技を始め、昨季はワールドカップで銀と銅、今季は4位を3回獲得した。2028年のロサンゼルスパラリンピックで追加種目に選ばれる可能性があり注目されている。
講演で岡田さんは、病気を患った後に不登校になった経験を振り返りながら、好きなスポーツで成果を出すことで前向きになることができた経緯を披露した。「人生山あり谷あり。何か自分がしたいと思ったことがあれば、将来できるかもしれないので継続してほしい」と呼びかけた。
さらに「来年9月の韓国・ソウルの世界選手権でメダルを取りたい。国際大会でメダルを取り続けられるよう現役を長く続けたい」と今後の目標も話した。
6年の西尾ひなたさん(12)は「病気になっても夢に向かって頑張る姿がすてきだと思った」と話した。
講演は同校の開校150周年事業の一環で、4~6年生の児童約80人と保護者が聴講した。(佐藤一司)