表彰台で記念撮影する岡田卓也(右)=スイス・ベルン(日本パラクライミング協会撮影、提供)
表彰台で記念撮影する岡田卓也(右)=スイス・ベルン(日本パラクライミング協会撮影、提供)

 出雲市斐川町出身でパラクライミング日本代表の岡田卓也(32)=大阪市東成区=が8、10の両日、スイス・ベルンであった世界選手権で3位に入った。2度目の世界選手権で初めて目標とする表彰台に立ち「メダルを獲得できて良かった」と喜んだ。

 パラクライミングはホールドと呼ばれる複数の突起物が付いた約15メートルの壁を、6分間でどこまで登れるのかを競う。岡田が出た神経、身体障害のクラス(RP1)には9カ国20人が出場。8日の予選は設定された二つのコースを登った合計ポイントで競い、4位で決勝に進出した。

 予選を突破した6人で競う10日の決勝は、最大斜度130度のコースを登る1本勝負。ホールドが持ちづらく、予選に比べて足の置き場に神経を使う難コースだったが、序盤は確実に、最大傾斜部分は消耗を抑えるためにスムーズな登りを心掛け3位に食い込んだ。

 1位の選手が圧倒的な強さを見せつけ、2~4位は僅差という結果で、喜びの半面、油断していられないという危機感も感じた。「フィジカル面の強化と技術を磨き、1位の選手と競えるようにしたい」と2年後の世界選手権を見据えた。

 岡田は小学3年で髄膜脳炎を患い、体幹機能と右手に障害がある。2019年に競技を開始し、今季はワールドカップ3大会に出場し2大会で銅、銀メダルを獲得している。
(松本直也)