鳥取市伏野の伏野海岸に漂着し衰弱していたウミガメのタイマイが26日、鳥取県の施設・山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館(鳥取県岩美町牧谷)に引き渡された。23日に住民が見つけ、県立とっとり賀露かにっこ館(鳥取市賀露町西3丁目)で応急処置をしていた。設備の整った自然館で回復させ、海に返す。
タイマイはウミガメの一種で暖かい海に暮らす。保護された個体は甲羅の長さ約45センチで雌とみられる。暖流の対馬海流に乗って日本海に来て、寒さで弱ったと考えられるという。
かにっこ館の水槽(水温13度)で温め、感染症を防ぐため消化器に入っていた空気を抜く処置を施した。当初は水槽に浮いていたのが、底に沈んでくつろぐまでになった。水温20度の水槽がある自然館で十分に回復させ、初夏ごろに海に放す。その間、一般公開も検討する。
自然館の小矢野悠造学芸員が訪れて引き取った。かにっこ館で世話をした尾?誠子飼育専門員は「最初見た時は死ぬんじゃないかと心配した。引き渡せるまで回復し、うれしい。元気に生きてほしい」と願った。
県内では2023年10月にもタイマイが伏野海岸に漂着し、自然館で回復させて海に帰したという。(桝井映志)