森に差し込む淡い光の中、写真家の野川かさね(47)が木々を見上げてレンズを向けた。フィルムカメラのシャッター音が響く。連写はしない。1枚撮ると、ゆっくりとした足取りでまた歩き出す。昨年10月。長野県の北八ケ岳にある白駒の池周辺の原生林。柔らかい木漏れ日が針葉樹の根元を覆うコケを照らす。
幼い頃から自分と向き合い、葛藤を抱えていた。内面を写真で現せないかと思った時期もあった。約20年前に山を撮り始めた。大きな存在の自然をどうフレームに収め込むか思案した。
今はそ...
森に差し込む淡い光の中、写真家の野川かさね(47)が木々を見上げてレンズを向けた。フィルムカメラのシャッター音が響く。連写はしない。1枚撮ると、ゆっくりとした足取りでまた歩き出す。昨年10月。長野県の北八ケ岳にある白駒の池周辺の原生林。柔らかい木漏れ日が針葉樹の根元を覆うコケを照らす。
幼い頃から自分と向き合い、葛藤を抱えていた。内面を写真で現せないかと思った時期もあった。約20年前に山を撮り始めた。大きな存在の自然をどうフレームに収め込むか思案した。
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