昨年末に鳥取市伏野の海岸に漂着したウミガメのタイマイの展示が9日、鳥取県岩美町牧谷、山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館で始まった。発見時は衰弱していたが、現在は餌を食べ、水槽を泳ぎ回るようになるまで回復した。
タイマイは成長すると甲羅の長さが70~80センチほどになるウミガメの一種。鋭いくちばしと、ギザギザとした後部の甲羅が特徴。甲羅が工芸品の素材に使われ、乱獲で個体数を減らし、現在は絶滅危惧種に指定されている。
保護されたタイマイは甲羅の長さ48センチの雌で、未成熟の個体と見られるという。体についていたタグを調査した結果、2024年10月15日、韓国の水族館が放流した個体だと分かった。
保護を兼ねて展示を始め、暖流の季節に合わせ、6月ごろをめどに放流する予定。担当の小矢野悠造学芸員は「山陰ではウミガメはなじみのない生物。普段目にするカメと違い、海に適応した形をしている」と見どころを話した。
入場無料。午前9時~午後5時。月曜と祝日の翌日は休み。(小林竜大)