野球界で通称「トミー・ジョン手術」と呼ばれる肘の靱帯再建手術は1974年に初めて行われ、投手寿命を延ばす革命をもたらした。半世紀を経た今では広く浸透し、術式も進化。米大リーグ、ドジャースの大谷翔平も2度経験するなど救われた投手は枚挙にいとまがなく、野球界に与えた影響は計り知れない。一方で、先駆者やその家族が抱えてきた苦悩や葛藤はあまり知られてこなかった。近年は肘を痛める選手が飛躍的に増加しており、手術を担当する医師からは現状を危惧する声も上がっている。(共同通信ロサンゼルス支局=白石明之、益...