鳥取県で新型コロナウイルスの感染が急拡大し、患者を受け入れる医療現場が危機感を強める。コロナ用病床の使用率は30日時点で55・8%となり、国指標で緊急事態宣言の検討対象となるステージ4の水準(50%以上)を超えた。県は、宿泊療養施設拡充など病床逼迫(ひっぱく)の回避策を急ぐ。

 県西部の公立病院は、デルタ株が猛威を振るう現状の深刻さを痛感する。受け入れた20代と50代の感染者はいずれも軽症で、入院時の胸部CT検査は「異常なし」。ところが3日後には酸素濃度が一気に下がり、人工呼吸器が必要になったため大学病院へ転送した。

 病院長は「変異ウイルス(デルタ株)の影響か、中等症以上になるまでのスピードが驚くほど速い。病院間の連携を強めて対応しないと、救える命も救えなくなる」と指摘。事務局長は「感染拡大が続けば、手術制限などの影響は避けられないだろう」と危惧した。

 鳥取県立中央病院(鳥取市)は新規入院患者が連日あり、中川善博副事務局長は「病床逼迫にならないか懸念している」と話す。

 最大328床を確保したコロナ用病床の使用率は上昇が続く。8日は8・6%(28床)だったが、30日には55・8%(183床)に上昇。地区別は東部53・3%、中部35・0%、西部66・2%となっている。

 病床逼迫を防ぐため、県は30日、入院待機者を診察し、入院と在宅療養、宿泊療養に振り分ける「メディカルチェックセンター」を東部に設けた。西部と中部には設置済みで、無症状者や重症化リスクが低い感染者は在宅や宿泊施設で看護師らが対応する。宿泊療養施設は8月以降、1・9倍の271室に増やす。 (取材班)