飯塚俊之市長(左)に自筆の色紙を渡し、抱負を述べる里見香奈女流四冠=出雲市今市町、市役所
飯塚俊之市長(左)に自筆の色紙を渡し、抱負を述べる里見香奈女流四冠=出雲市今市町、市役所

 将棋の女流通算タイトル数で史上最多の44期を達成した出雲市出身の里見香奈女流四冠(29)が、8月1日に地元である自身の名を冠したジュニア将棋大会に合わせて帰郷した。30日には飯塚俊之市長と面会し、「目の前の対局で持っている力を全て出せるよう頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。 (月森かな子)

 

 6月に、通算44期目となる王位タイトルを取って以来、地元入りしたのは初めて。両親と共に市長と懇談した里見女流四冠は、兄の影響で将棋を始めたことや、人見知りの性格だが将棋のことになると物おじせず自ら質問に行くなど幼少期のエピソードを披露。毎年出雲市である女流名人戦での対局が一番の楽しみだといい「年間通してのモチベーションになっている。地元はほっとする」と郷土愛をにじませた。

 「いきいき、のびのびと楽しみながら将棋を指したい」という思いを込めて色紙に「輝」としたため、飯塚市長は「さらに輝きを増して、頑張ってください」とエールを送った。

 1日は、出雲市大津町の出雲弥生の森博物館で第10回里見香奈杯争奪出雲弥生の森ジュニア将棋大会があり、大会に先立ち、里見女流四冠が指導棋士として参加者と対局する。大会に向け、「地元に将棋をする子どもがいることはすごくうれしい。(プロとして)何か伝えることができればいい」と期待を込めた。

 ………………………… 

 31日付から将棋欄で、第47期棋王戦の里見女流四冠と村山慈明七段の対局(2月)の棋譜を掲載しています。