石破茂首相の施政方針演説全文は次の通り。
一 国づくりの基本軸
今年は戦後80年、そして昭和の元号で100年に当たる節目の年です。これまでの日本の歩みを振り返り、これからの新しい日本を考える年にしてまいります。
そのためには、わが国の直面する現実を直視しなければなりません。
わが国の生産年齢人口は、これからの20年で1500万人弱、2割以上が減少すると見込まれます。このような中、かつて人口増加期につくり上げられた経済社会システムを検証し、中長期的に信頼される持続可能なシステムへと転換していくことが求められています。
今や、わが国は「人材希少社会」に入っています。年齢や障害の有無にかかわらず希少な人材を大事にする社会づくり、すなわち、国民一人一人の幸福実現を可能にする、人中心の国づくりを進め、全ての人が幸せを実感できる、人を財産として尊重する「人財尊重社会」を築いていく必要があります。
加えて、食料自給力、エネルギー自給率が低い現状では、外的な事象に国民生活が大きく影響を受けてしまう懸念があります。より自立した形で国民生活を守ることができるよう、戦略的な国家運営が必要です。
新しい日本を創る上で、「サステナブル」で「インディペンデント」であること、すなわち持続可能で自立することを重視しなければなりません。そのため、価値観の転換が必要だと考えます。
故・堺屋太一先生の著書によれば、わが国は、明治維新の中央集権国家体制において「強い日本」を目指し、戦後の復興や高度経済成長の下で「豊かな日本」を目指しました。そして、これからは「楽しい日本」を目指すべきだと述べられています。
私もこの考え方に共感するところであり、かつて国家が主導した「強い日本」、企業が主導した「豊かな日本」、加えてこれからは一人一人が主導する「楽しい日本」を目指していきたいと考えます。
「楽しい日本」とは、全ての人が安心と安全を感じ、自分...













