「私は小泉八雲の妻のセツでございます」―。AI技術でよみがえったセツが八雲との思い出を表情豊かに語る。今秋放送されるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」を前に、電子看板「デジタルサイネージ」が松江市役所の正面玄関にお目見えし、機運醸成を図っている。
デジタルサイネージは縦1メートル、横45センチで、ドラマの放送決定をきっかけに山陰ケーブルビジョン(松江市学園1丁目)が映像を制作し、市に寄贈した。語りは約2分で、出雲地方の方言でセツの出自や八雲との出会い、お気に入りの場所などを解説している。
31日の寄贈式で、同社の石原俊太郎社長と上定昭仁市長が玄関前でデジタルサイネージを除幕した。石原社長は「ドラマを機にたくさんの人が松江に関心を寄せ、地域が活性化していくことを願っている」と強調し、上定市長は「松江の魅力発信につながると期待している」と感謝した。
同社は今後、セツの写真やテロップ、語りの内容などを差し替えたデジタルサイネージを市内のほかの観光施設にも寄贈したい考え。
(佐々木一全)