加工・業務用キャベツの収量増加事例を紹介する花田紗瑛さん=出雲市西新町2丁目、朱鷺会館
加工・業務用キャベツの収量増加事例を紹介する花田紗瑛さん=出雲市西新町2丁目、朱鷺会館

 持続可能な農業に向けた、島根県の普及員や研究員による取り組み発表会が4日、出雲市内であった。県内の農業関係者ら約190人を前に、畜産や野菜づくりの成果を発表した。

 県と県農業改良普及職員協議会が主催し、5人が事例を報告した。

 隠岐支庁農林水産局農業振興部の遠藤治課長は「隠岐産牛」の産地育成について紹介した。隠岐地域の農業産出額のうち、肉用牛は7割を超す主要品目。しかし、4町村間の移動手段などが限られ「関係者が一堂に会し、話し合う場がなかった」と指摘した。

 コロナ禍でオンライン会議が普及したことから、2021年度に「隠岐牛生産拡大協議会」を結成した。受精卵移植技術の導入など、4町村の一体的な取り組みを推進し、繁殖雌牛や子牛出荷頭数の増加につなげたとした。

 また、県西部農林水産振興センター益田事務所農業部の花田紗瑛(さえ)農業普及員は、集落営農の加工・業務用キャベツ栽培で、機械の導入で大きく収量を上げた事例を報告した。水稲の繁忙期と重なり、農家の手が回らなかった管理作業を機械化し「適した時期に作業ができ、生育が格段に良くなった」とし「栽培技術を定着させ、地域全体で生産性の向上に取り組むことが必要」と強調した。(佐野卓矢)