女子フェザー級準決勝で英国選手(左)を攻める入江。ステップワークと左ジャブで距離感を保つことができるかが決勝のポイントになる
女子フェザー級準決勝で英国選手(左)を攻める入江。ステップワークと左ジャブで距離感を保つことができるかが決勝のポイントになる
三代 大訓
三代 大訓
女子フェザー級準決勝で英国選手(左)を攻める入江。ステップワークと左ジャブで距離感を保つことができるかが決勝のポイントになる
三代 大訓

 ボクシング女子フェザー級の入江聖奈(日体大)が2日、東京都内で非公開練習を行い、日本女子初の金メダルが懸かる3日の決勝に向けて最終調整した。20歳の新鋭は「私はチャレンジャー。気持ちのいい試合をしたい」と闘志を燃やした。

 対戦する29歳のネスティー・ペテシオ(フィリピン)は好戦的な左ファイターで入江によると過去2勝1敗。直近の対戦で勝利した昨年3月のアジア・オセアニア予選のように足を使って距離を保ちながら、左ジャブ、右ストレートを的確に当てていきたい。日本連盟の伊田武志女子強化委員長からはカエル好きの入江のために「詰め将棋をするトノサマガエル作戦」を伝授されている。理詰めの攻めで頂点に立ちたい入江は「詰め将棋のことはよく分からないが自分のボクシングをしたいです」と意気込んだ。

 

 女子ボクシングの入江聖奈(日体大、米子西高出)が3日、金メダルを懸け、東京五輪のフェザー級決勝に挑む。松江市出身のプロボクサー、三代大訓(ワタナベ)に、快進撃を続ける入江の強さの秘密や決勝のポイントなどを聞いた。   (聞き手は政経部・木幡晋介)

 ー五輪初出場で決勝まで勝ち上がった。戦いぶりをどう見るか。

 「1回戦でのびのびと戦って圧勝したのを見て、メダルが獲得できるかもしれないと感じた。距離を取るだけではなく、スタミナもあるので接近戦にも対応できる。オールラウンダーで穴がない。ボクサーの理想型だ」

 ー決勝の対戦相手は、2019年の世界選手権覇者のフィリピン人選手。勝敗の鍵になりそうな点は。

 「左ジャブとステップワークで相手との距離感を保つことができるかがポイントになる。相手は接近戦を好む左ファイターで、多少パンチをもらっても懐に入ってくる。力強いジャブで相手の勢いを止め、有効打を入れたい」

 ー入江によると通算成績は2勝1敗と勝ち越している。日本女子勢で初の金メダルも夢ではない。

 「準々決勝、準決勝は僅差で勝利しており、運も味方につけている。心身ともに調子がいい。過去の対戦成績は気にせず、のびのび戦ってほしい」

 ー入江と親交がある。どんな性格か。

 「僕は高校時代、入江選手が所属していたシュガーナックルボクシングジムの松江店で練習をしていた。入江選手は米子店だったが一緒に練習する機会もあった。すごく素直な子で、伊田(武志)会長の指示を実直に守り、嫌な顔をせず反復練習していたのが印象に残っている。教えられたことを根気強く続けたことが、今の活躍につながっていると思う」