出雲市消防本部(出雲市渡橋町)はこのほど、2024年度の火災調査研究会を同本部で開いた。使用されていない壁付きコンセントから出火した事例報告や鑑識に関する講義があり、消防関係者が耳を傾けた。
同市消防本部斐川消防署の川島裕警備隊長は市内の事業所で壁付きコンセントから出火した事例を報告した。社員が応接室でスルメを焼いたような異臭に気付き、消火器で消し、119番通報した。
コンセントは30年以上使われておらず、プラグも差さっていなかった。調査の結果、施工不良または経年劣化により配線取り付け部が緩み、接触不良部分の電気抵抗が増大して発熱、発火したと推定した。
川島隊長は「電気配線図を確認し、建物内でどのように電気が流れているかを明確にすることが大切」と指摘した。同署の調査を受け、事業所は古いコンセントを取り替えた。
このほか、リコール対象となっていたエアコンから出火した事例の発表や、鑑識力を高める講義などがあった。(佐藤一司)