竹島(島根県隠岐の島町、韓国名・独島(トクト))の領有権確立を求める20回目の島根県「竹島の日」の記念式典が22日、松江市で開かれた。研究体制の強化や国際司法裁判所への単独提訴など政府に対する7項目の特別決議を採択し、外交交渉の進展を求めた。
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特別決議では▽国民世論の啓発や国際社会への情報発信▽研究機関設置などの体制強化と島根県実施の調査研究への支援▽国際司法裁判所への単独提訴を含めた外交交渉▽北方領土と同様に政府主催の式典開催や「竹島の日」の閣議決定ーなどを盛り込んだ。
式典には一般40人を含む358人が参加。県が首相や閣僚の出席を求める中、政府は13年連続で政務官を派遣し、今回は今井絵理子内閣府政務官が来県した。日韓関係に過度な影響を与えないように配慮したとみられる。
式典で丸山達也知事は、韓国の国会議員による竹島への上陸や軍事訓練は不法占拠を既成事実化しようとする動きだとし「日本政府が国際法にのっとり、冷静かつ平和的な解決を求めている中、極めて遺憾だ。政府には毅然(きぜん)として厳正に対処するよう望む」とした。
日本政府に対し「外交交渉の場で話し合われるよう訴えていく」と述べ、解決に向けた主体的な取り組みが速やかに実行されるよう強く求める考えを示した。
今井政務官は「韓国の不法占拠は決して容認できない。政府は総力を挙げ、毅然とした態度で粘り強く対応する。島根の皆さまの思いを胸に刻み、問題解決の足取りを踏み出せたと実感できるよう情報発信の強化に努める」と述べた。
国会議員は代理1人を含む13人が出席。山陰両県関係では自民党の舞立昇治参院議員と三浦靖参院議員、高見康裕衆院議員、立憲民主党の亀井亜紀子衆院議員が登壇した。青木一彦官房副長官は秘書が代理で出席した。
県は竹島編入告示100年を迎えた2005年、問題解決を訴えるために条例で2月22日を「竹島の日」と定め、翌年から毎年式典を開いている。
竹島問題 隠岐諸島の北西約158キロにある竹島について日韓双方が領有権を主張し、韓国が実力支配を続けている問題。日本は1905年に島根県に編入した。韓国は52年に「李承晩(イスンマン)ライン」を設定して竹島を取り込み、54年から警備隊が常駐し、70年以上不法占拠を続けている。日本は対話による解決を求めているが、韓国は応じる構えを示していない。
(新藤正春)