オンラインで会談する田村厚労相(左上)と全国知事会の飯泉嘉門会長(右上)ら=3日午後
オンラインで会談する田村厚労相(左上)と全国知事会の飯泉嘉門会長(右上)ら=3日午後

 新型コロナウイルス患者の入院要件を厳格化した政府方針を巡り、田村憲久厚生労働相は3日午前の記者会見で、病床が逼迫している地域では高齢者や基礎疾患がある人が自宅療養となる可能性があるとの見解を示した。これまでは原則入院だったが「比較的症状が軽く、リスクがそれほど高くない人は在宅も含めて対応せざるを得ない」とした。7割以上がワクチン接種した高齢者で感染者や重症者の割合が減っていることを踏まえた。

 田村氏は同日午後、全国知事会の飯泉嘉門会長(徳島県知事)らとオンラインで会談。飯泉氏はこれまで入院対象だった「中等症」のうち、対象から外れる患者の基準を明示するよう求めた。

 3日の国内の新規感染者数は、過去2番目に多い1万2017人。重症化リスクの判断は難しく、大阪府の吉村洋文知事が「保健所では対応しきれない」として開業医を中心とした訪問診療の仕組みをつくるべきだと訴えるなど、自治体に動揺が広がっている。立憲民主党の安住淳国対委員長も「患者を見捨てるような話だ」と批判した。

 菅義偉首相は3日午後、日本医師会など医療関係団体と面会し「地域の診療所が往診やオンライン診療で状況を把握し、適切な医療を提供するようお願いする」と要請した。

 新方針は2日に決定。感染急拡大地域では、入院対象を重症者や重症化するリスクが高い人に限定し、それ以外は自宅療養を基本とする。

 このリスクが高い人について、菅首相は3日の面会で「中等症のうち、酸素投与が必要な人(中等症2)や、糖尿病などの疾患を持っている人」と説明した。呼吸不全には陥っていない「中等症1」は、今後入院できない可能性がある。

 ただ実際の判断は医師によって「ケース・バイ・ケース」(厚労省)となるため、飯泉氏が基準の作成を求めたとみられる。飯泉氏は地域の感染状況が異なるとして、新たな方針を全国一律で適用しないようにも求めた。

 方針転換の理由について、田村氏は3日午前の会見で、感染者がさらに増えても症状が重い人や自宅療養者らが急変した場合は入院できるよう「病床の余力を持つ対応をしていく」と説明した。