山陰中央新報社文化センター特別講座「『砂の器』と木次線 再発見!」が4月、松江市殿町の松江教室で開講する。島根県奥出雲町亀嵩が重要な舞台となった名作映画『砂の器』(1974年)について、地域の鉄道の歩みを交えながら元NHKプロデューサーの村田英治さんが語る。
村田さんは奥出雲町生まれで、小学生の時に木次線の八川駅であった映画『砂の器』のロケに遭遇した。NHKでプロデューサーなどを務めた後、2022年に退職して執筆活動に入り、翌年「『砂の器』と木次線」を出版した。松江市在住。
全6回の座学でテーマ、日程、概要は次の通り。
【1】映画『砂の器』はなぜ名作といわれるのか(4月5日) 構成、音楽、俳優陣を考察。「失われた昭和の風景」の価値。鍵となる「亀嵩パート」。
【2】松本清張と「東北弁のカメダ」(19日) 原作の着想の源。清張と出雲の関係。亀嵩算盤の支援。
【3】作り手たちの熱量(5月10日) 映画化まで14年。脚本家橋本忍の執念。野村芳太郎監督の周到な準備。
【4】木次線と地域~激動の歴史と70年代~(24日) 地域が熱望した鉄道。モータリゼーションの影。取り残される木次線。
【5】資料と証言で地域の記憶をつなぐ(6月7日) 当時の新聞が伝える木次線沿線ロケ。出雲弁にまつわる緒形拳、笠智衆のエピソード。
【6】沿線のロケ地をめぐる(21日) 沿線9駅にあるロケ地・ゆかりの地のエピソード。
いずれも午前10時~11時半。受講料は1万3200円(6回分)。問い合わせ、申し込みは松江教室、電話0852(32)3456、フリーダイヤル(0120)079123。