松本清張原作の映画「砂の器」が公開されて今年で50周年。日本映画屈指の名作と評される作品は島根県奥出雲町の「亀嵩」という地名が物語の鍵となり、実際に町内でロケが行われた。2023年末に元NHKプロデューサーのライター村田英治さん(59)が出版した「『砂の器』と木次線」は11月に5刷を迎え、10月に亀嵩で開かれた50周年記念イベントには全国各地から約600人が訪れ、今なお関心を集める。なぜファンを引きつけるのか。


映画「砂の器」 原作とは異なる終盤
1974年公開。監督は野村芳太郎、脚本は橋本忍と山田洋次が手がけた。原作は松本清張が読売新聞で連載していた推理小説で、殺人事件の犯人捜しを軸にした物語。丹波哲郎や加藤剛、加藤...