
―地元の再生可能エネルギーを活用し、電力小売り事業を手掛けています。
地元中小企業が100%出資した電力小売り会社です。浜田、益田や江津各市で自社グループの風力発電所と太陽光発電所を運営し、販売する電力は、地元産クリーンエネルギーを活用しています。2024年4月に電力の需給管理も始めました。
―需給管理業務は女性社員たちが担当しているそうですね。
需給管理は過去のデータを基に、天候や季節によって変化する契約先の電力総需要を365日、30分単位で予測します。供給電力の無駄をなくすことで安価な電気料金を実現し、電力小売事業の運営ノウハウも蓄積できます。この重要な業務を担っているのが女性社員6人です。前職は保育士や医療事務員で、専門知識を身に付けて活躍しています。

―契約先の拡大にどう取り組みますか。
中国地方を販売エリアとし、一般家庭や法人のほか、自治体との契約を増やしています。江津市では学校やコミュニティセンター向けに供給し、一部はグループの発電所で発電した電力の非化石価値を付け、再エネの地産地消を身近に感じてもらえるようにしています。安く、クリーンな地元産を含む安定した電力を広く使っていただけるよう交流サイト(SNS)を活用した広報にも力を入れます。
―今後の事業計画を聞かせてください。
自治体や企業が所有する郊外の遊休地にメガソーラーを建設し、発電した電力の全量を当社が管理し、地域内の施設に長期契約で購入してもらう事業を計画しています。当社は発電所のメンテナンスを地元企業に発注しています。目指すのはエネルギーとお金の地域循環です。
―風車が立つ海岸の清掃にも取り組んでいます。
自治会と一緒に毎年活動しています。地域貢献として、地元の保育園や学校でエネルギーに関する出前講座も行っています。子どもたちの未来のため、続けていきたいですね。


①創業から「走りながら考える」をモットーにしてきました。興味があればまずは行動し、やりたいことがあれば言い続けることで、周りにも助けられ、実現に近づきます。今の内にいろいろなことに挑戦して、失敗も含めて、たくさんの経験をしてください。
②信念(目的、意義、社会貢献、倫理観)、経験(失敗、成功、挑戦)、心(好奇心、素直さ、向学心)、人間関係(汗をかく、リスクを取る、謙虚である、Win-Win)を大切にする。信念があれば、人が集まり、知恵が集まり、お金(資金、与信)が集まり、事業となる。
矢口伸二=東京都中野区出身(44歳)2003年に現職に就任。海外(LA)勤務を経て1995年、地下鉄サリン事件の前日に東京の大手鉄鋼会社を退職し、浜田市にIターン。江津市、益田市、浜田市において風力発電事業、金城でメガソーラー事業を立ち上げ、2020年に電力小売事業を開始し、中国地方全域に電力を供給。水力発電事業開発も進行中。2023年に6人目の子供を授かる。
趣味は~子供と遊ぶ事、家族旅行、読書、映画、スキー、スノボー、大型バイク、車
