―協会の活動について教えてください。
看護職の職能団体として、看護の質向上や働きやすい職場環境づくりのため、さまざまな事業や研修を開催しています。潜在看護師の再就業につなげるナースセンターや訪問看護ステーションの運営もしています。

―人材育成に力を入れています。
生産年齢人口が減少する中、限られた人材で効果的に質の高いケアを提供する必要があります。病院や診療所、在宅看護といった、異なる職場から一定期間、出向することで、お互いの立場を理解し患者さんにとって安心できる環境を整えています。視野が広がり、やりがいにもつながっています。


―高齢者が多い島根県では、訪問看護の役割が年々大きくなっています。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年を迎えた今、県内で在宅生活を続けられる環境は十分整っているとは言えません。高齢者の多くが医療と介護の複合ニーズを抱えていますから、住み慣れた家での生活を続けるには、軽症のうちから病院受診につなげ、在宅復帰を早めるなど切れ目のない支援が必要です。連携をスムーズにするためにも、訪問看護が求められています。

―そのような状況下で、23年春に訪問看護支援センターを開設されました。
県内に約100カ所の訪問看護ステーションがあります。ニーズはあるものの、数はなかなか増えていない実態があります。研修の開催だけでなく、経営の経験が少ない管理者も多いため、運営支援の窓口も設置しています。 

―災害支援ナースの養成にも取り組まれています。
24年の法改定に伴いともない、国や県の支援で安定して活動できる仕組みが整いました。災害支援ナースには、自然災害だけでなく、新型コロナウイルスなど感染症への対応も求められます。有事に迅速に対応できるように、県と連携し養成に取り組んでいきます。

近年、多発する自然災害や新型コロナウイルス感染症等の新興感染症の蔓延で、看護職の役割りや重要性が再認識され、社会においてますます必要とされています。 島根県看護協会は、看護職の「働きたい」を応援しています。 生涯学習として、資格を活かしキャリアアップしてみませんか。 若い方は無限の可能性を秘めています。自分を信じてLet's Try!

池田康枝=島根県益田市出身(65歳)2023年に現職に就任。 看護専門学校を卒業後、県内の基幹病院へ入職し定年(60歳)まで看護師として勤務。その後、島根県看護協会ナースセンターへ入職。県の事業である新型コロナウイルス感染症在宅療養宿泊施設の運営等に携わった。 スキーや健康マラソン、競技ダンスなどに没頭し仕事と遊びを両立しながら過ごした。最近では、料理にも興味がありレシピ検索も怠らない。