松江市八束町波入、中村元記念館で企画展・中村元博士が残した「慈しみの言葉」展が開かれている。東洋思想の世界的権威、中村元博士(1912-99年)が残した言葉を、地元の書道愛好家が書き起こした作品や書籍などが来館者の目を引いている。入場無料。4月13日まで。
同館では2020年から八束公民館で活動する「中央書道サークル」と協力し、掲示板で毎月、中村博士の言葉を紹介してきた。中学校から晩年にかけての作文や書籍から書道サークルの会員が書いた言葉や資料など約100点を並べる。
「一年おくれたとて一生に関係はしない」は中学1年時に作文で書いた言葉。病気で学校を1年休学した経験を乗り越え、将来を見据える前向きな気持ちがうかがえる。展示では当時の作文も並べている。
「唯我独尊」は仏教用語で、お釈迦(しゃか)様が生まれた時に話した言葉として知られる。中村博士は自分だけが尊い存在ではなく、個人だれもが大切な存在であると書籍などで解説している。
企画した加藤千乃学芸員(42)は「座右の銘が見つかるかもしれない。ぜひ来館してほしい」と呼びかけた。
(林李奈)