東日本大震災発生の翌日、2011年3月12日。交通網が寸断される中、神田香織(66)は、東京・日比谷で開かれた一番弟子織音の真打ち披露パーティーに出席した。

 香織の郷里、福島県いわき市に住む両親や弟一家の無事を確認できたが、全電源を喪失した東京電力福島第1原発の状況が心配で、着物の帯を締める手が震えた。

 原子炉を冷却できなくなった福島第1原発は炉心溶融(メルトダウン)が起き、1号機の原子炉建屋はこの日、水素爆発で大破する。「日本でもついに原発...