島根県内で在住外国人が増える中、医療現場で「やさしい日本語」を使うためのウェブ研修がこのほど、あった。県内の医療関係者約30人が3会場に分かれて参加し、外国人患者と接する際の心得や医療用語の言い換えを学んだ。
県が初めて開催。松江、出雲、浜田3市の会場に集め、しまね国際センターの仙田武司多文化共生推進課長らが出雲から発信した。
仙田課長は県在住外国人が約70カ国8900人程度いる中、アンケートでは、情報を得る言葉として母国語の次に、英語よりも、やさしい表現の日本語のニーズが高いことを示した。
やさしい日本語にするには、文を短く簡単な構造にし、漢語は和語に換えるほか、尊敬語、謙譲語、カタカナ語、擬音語は使わないよう助言した。「検温」は「熱を測ります」に、「ナースコール」は「ボタンを押して看護師を呼びます」に、と具体例も紹介。「最初は難しくても普段から使うことで、できるようになる。いろんな場面で試してほしい」と説いた。
参加者はペアになり、やさしい日本語を使って新型コロナウイルスワクチンの予診票を記入する演習にも挑んだ。受講した公立邑智病院(邑南町)の森脇千浩看護師は「考えていかないといけない課題。学んだことは病院でも共有したい」と話した。 (松本直也)