一面に咲き誇るハナモモを眺める来訪者=島根県邑南町上口羽
一面に咲き誇るハナモモを眺める来訪者=島根県邑南町上口羽

 島根県邑南町上口羽の川角(かいずみ)集落でハナモモの花が見頃を迎え、16日、多くの人が集落一面に咲き誇る赤や白、ピンクの花を眺めて散策を楽しんだ。

 広い範囲に咲き誇る花と甘い香りで、集落は「桃源郷」「天国に一番近い里」と呼ばれる。今年は3月下旬にも降雪があるなど気温が上がらず、見頃が例年より10日ほど遅れた。黄色い菜の花も彩りを添え、多くの人が絶景をカメラで撮影しようとシャッターを切っていた。

 川角集落は6世帯6人の小さな集落。田舎の原風景を生かして観光地化しようと住民らが2007年、耕作放棄地を利用してハナモモを植え始めた。今では約3ヘクタールに2600本が植わり、住民や口羽地区の住民団体らが維持管理している。

 広島市から友人3人と訪れた松古繁美さん(72)は「昨年初めて訪れ、美しさのとりこになった。見頃の時期に来られて良かった」と満足そうだった。見頃は今週末までという。

(吉野仁士)