お堂や地蔵を巡礼して地元の人から料理のもてなしを受ける、島根県知夫村の風習「お大師参り」が18日、同村各地区であった。朝早くから地域の女性たちが料理に腕を振るい、島内外から来た巡礼客がごちそうに舌鼓を打った。
弘法大師の命日に寺、お堂、地蔵を歩いて巡礼する行事で、現在は多くの人が自家用車や自転車を使って村内7地区を回る。新型コロナウイルスの影響で縮小した時期もあったが、この日は、大皿やバットにおかずを入れる以前のスタイルに戻した地区が多かった。
地区ごとに名物料理があり、大江地区は集会所でワカメのサンショウあえや豚汁、焼きそばを巡礼者に出して喜ばれた。
知夫村を訪れるのは2回目という海士町宇受賀の大人の島留学生、昆野汐里(しおり)さん(21)=兵庫県出身=は「昔から続く行事は人と人との距離が近く、温かさを感じた」と話した。(鎌田剛)