見頃を迎えたボタンの観賞を楽しむ地元の人たち=島根県隠岐の島町北方、隠岐五箇ぼたん園
見頃を迎えたボタンの観賞を楽しむ地元の人たち=島根県隠岐の島町北方、隠岐五箇ぼたん園

 管理者の死去で一時荒れ地となった後、地元住民の有志で再生された島根県隠岐の島町北方の「隠岐五箇ぼたん園」で、ボタンが見頃を迎えた。4月30日は花見客が訪れ、大ぶりで高級感ある色合いで咲く花々を見やり、手作りの弁当や菓子を楽しんだ。

 約800株が28日ごろから一気に開花して現在は八分咲きになった。ジャーマンアイリスやアヤメも開花し、山里に彩りを添える。

 旧園は1990年ごろに完成。一時は約2ヘクタールの敷地にボタン2万本が咲き誇ったが、2014年にオーナーが死去して以降、管理されなくなっていた。

 再整備に動き出したのはオーナーの親戚で、近くの中学教諭石橋里佳さん(50)。雑草の間で花を咲かせる花を見ていたたまれなくなり、18年夏から取り組み、美しさを取り戻した。草刈り作業を中心に地元のボランティアも作業に加わってくれるという。

 友人たちと花見に訪れた同町城北町の古木博子さん(73)は「個人でこれだけ管理されているとは頭が下がる」と話した。

 石橋さんは園内に残るガラス温室の撤去費用200万円が捻出できず、頭を悩ませているが「ボタンが終わるとシャクヤクが咲き出す。楽しんでほしい」と話した。入園無料。
       
(鎌田剛)