ここ数カ月は自宅近くの丘や山を散策することが多かったので、4月は列車で少し遠出をしてみることにした。琴浦町(鳥取県)は今年の初めにドライブの途中でちょっと立ち寄った町だ。その時からもう一度訪れ、歩いて散策するのを楽しみにしていた。
JR八橋駅で降り、海岸沿いを西へぶらぶらと歩いた。青く穏やかな海となだらかな海岸線はさっそく楽しい散策の舞台となった。
たくさんの花が咲いていて、特に紫色の花々が印象的だった。落ち着いた色合いのツルニチニチソウ、鮮やかなムスカリ、生き生きとしたスミレなど、どれも私の目を引いた。チョウが軽やかに宙を舞い、まるで道草をしながら歩く私の気ままな散歩を映し出しているようだった。春休み中の小学生たちが自転車で私の横を通り過ぎ、冒険心旺盛な一人が「グッドモーニング!」と元気よく英語であいさつしてくれた。
やがて私は塩谷定好写真記念館にたどり着いた。この記念館には、日本の多くの写真家にインスピレーションを与えた塩谷氏の作品が収められている。
塩谷家の旧宅を利用し、NPO...