日本遺産「中世益田」の構成文化財となっている益田市東町、古刹(こさつ)・万福寺の本堂でこのほど、石見神楽の上演があり、来場した75人が神社とは違う雰囲気での舞を堪能した。
市内でもう一つの日本遺産の「石見神楽」と連携した企画で、毎週土曜の石見の夜神楽公演とMASUDA石見神楽ウイーク(11~18日)の関連イベントとして開かれた。神事芸能の神楽を、寺院で上演するのは珍しい。
益田市石見神楽神和会の津田神楽社中が出演し、神話を題材にした「岩戸」「大蛇」の2演目を披露した。来場者は本堂に響き渡る太鼓や笛の音色と迫力の舞を体感した。
家族4人で訪れた益田市須子町の吹金原真悟さん(49)は「お寺で石見神楽を見るのは初めて。背筋が伸びる感じで、のめり込んだ」と話した。
万福寺ではこの日、中世の食を再現した「サムライ御膳」の提供と、雪舟庭園のライトアップもあった。(吉田雅史)