「一緒にホテルへ行こう」「胸とお尻はいい」。2022年末、新人だった高校教師の横山香奈さん(仮名、20代)は飲み会の場で、親子ほど年の離れた50代の校長からセクハラを受けた。校長は「お酒に負けてしまった」と釈明し、減給の懲戒処分を受けたが、学校側は処分を公表しなかった。

 それまで横山さんは、教育や部活指導に力を入れ、実績も残してきたつもりだった。だが「結局、女って性的な部分でしか評価されないのか」と、裏切られた思いだった。

 一方、事態を知った上司や同僚たちは「外部には言わない方がいい」「まだ嫁入り前の娘だから」と、大ごとにしないよう横山さんを説得した。当初、「自分の身を心配してくれているんだ」と考えた横山さんは、学校法人への通報を済ませた後、約2年間、沈黙してきた。しかしいつまでたってもセクハラの事実は公表されず、校長の処遇も変わらないままだった。(共同通信=武田惇志)

 

 ▽校長主催の飲み会で

 問題が起きたのは私立大阪夕陽丘学園高校(大阪市天王寺区)だ。ホームページによると、運営する学校法...