米価の高騰が続いている。価格を落ち着かせるため、国は3月に備蓄米の放出を始めたものの、地元小売店の店頭価格は高いままだ。卸業者らが在庫確保に向けて繰り広げるコメの争奪戦が背景の一つで、生産現場では需要増を受けて品種を転換する動きが広がっている。(政経部・多賀芳文)

米価高騰の背景

 5月下旬、松江市西川津町のスーパー「まるごう川津店」では、2キロ入りのコメの商品棚が例年の2倍に拡大していた。これまで5キロ入りの商品が中心だったが、価格上昇を受け、より入手しやすい商品を求める消費者の志向に合わせたものだ。

 ただ価格(コシヒカリ、税別)は2キロで1980円、5キロだと4380円。いずれも前年の2倍程度の値が付き、来店者...