旬の伝統料理に親しもうと、松江市乃木福富町の松江農林高で11日、3年生15人が、ささ巻き作りに挑戦し、試食して香りや味を楽しんだ。
山陰地方でささ巻きが作られるのは6月上旬ごろ。ササの新芽が生え、田植えを終えた農家の季節行事として親しまれてきた。
講師に南目製粉(松江市八幡町)の原真理子社長(62)ら2人を迎えた。生徒はササの持つ殺菌作用や虫よけとして、ゆで汁の利用など先人の知恵から伝統料理が生まれたことを学び、調理に取りかかった。
ササの巻き方は地域によって異なり、今回はササの葉を5枚使って餅を包む本巻きに挑戦した。餅を7センチほどの円柱形に丸めて柔らかい新芽にくるみ、外側を丈夫でしっかりした大きな葉で包んだ。巻き方が複雑で、葉が破れないよう力加減が難しく、多くの生徒が苦戦していた。
初めてささ巻きを作った石飛権樹(げんき)さん(18)は「実際にやってみるとササで巻くのがすごく難しかった。おいしくできてよかった」と話した。(岩田理子)