第103回全国高校野球選手権大会の大会本部は17日、選手の新型コロナウイルス陽性が判明している宮崎商と東北学院(宮城)からの試合参加辞退の申し出を受理したと発表した。

 宮崎商は医療機関の検査で13人が陽性となり、保健所から8人が濃厚接触者と判定された。東北学院は選手1人が陽性、選手ら4人が濃厚接触者となっていた。19日に宮崎商と対戦予定だった智弁和歌山、21日に東北学院との顔合わせが決まっていた松商学園(長野)は不戦勝になる。宮崎商と東北学院は不戦敗。大会本部によると不戦勝、不戦敗は大会史上初めてで、出場回数はカウントされる。

 大会本部は緊急対策本部を開いて両校の参加の可否を協議した。感染対策ガイドラインにのっとり、集団感染が疑われるか否かを重要視。宮崎商は集団感染と判断して学校側に伝え、17日に辞退の申し出があった。

 東北学院については個別感染と判断。当該選手の入れ替えなどで対応すれば、チームとしての試合参加を差し止めない方針だったが、学校側は出場によって選手が特定され、将来に影響を及ぼす可能性があるとの理由で辞退した。

 宮崎商の橋口光朗監督は「選手たちの最後の試合を甲子園のグラウンドでプレーさせてあげられなかったのが申し訳なく、無念極まりない」との談話を出した。東北学院の渡辺徹監督は「感染対策は十分にやっていたつもりだったが、結果的に選手を守れず大変申し訳なく思う」とコメントした。