内覧会で作品を鑑賞する来場者=益田市有明町、石見美術館
内覧会で作品を鑑賞する来場者=益田市有明町、石見美術館

 安来市出身で国際的に活躍するアーティスト、加藤泉さん(56)の企画展「加藤泉 何者かへの道」(島根県立石見美術館、山陰中央新報社など主催)が5日、益田市有明町の石見美術館で始まる。4日に内覧会があり、来場者が世界的に高い評価を受ける作品に見入った。

 高校時代まで島根県内で過ごし、武蔵野美術大造形学部油絵学科を卒業。1990年代末から画家としての活動を始め、シンプルな顔かたちをした「人がた」を一貫して表現。作品は高い評価を受け、現在は東京と香港を拠点に活動する。

 今回は、2007年にイタリアで開催された著名な現代美術の国際展「ヴェネチア・ビエンナーレ」に出展した「《無題》(2006年)」をはじめ、初公開となる高校時代の自画像など、約200点を展示。4日の内覧会では、約130人が独創的な表現をじっくりと鑑賞した。

 加藤さんは「意図せず原始的で、おおらかで自由な作品になるのは、田舎ですくすく育ったからだ」と故郷が作品に与えた影響を話した。

 午前9時半~午後6時(入館午後5時半まで)。観覧料は当日一般1300円、大学生600円。前売一般1100円、大学生500円。高校生以下無料。8月12日を除く毎週火曜休館。(堀尾珠里花)