魚釣りをして親睦を深める子どもたちとボランティア=島根県隠岐の島町北方、福浦海水浴場
魚釣りをして親睦を深める子どもたちとボランティア=島根県隠岐の島町北方、福浦海水浴場

 不登校の児童、生徒が集まり大自然の中でキャンプを楽しむ「風待ちキャンプ2025」がこのほど、島根県隠岐の島町であった。県内外から訪れた小中学生8人が2泊3日の日程で海、山での活動を楽しみ、互いの気持ちを話し合った。

 同町の一般社団法人アナザーステージ(渡部正嗣代表理事)が主催した。不登校は児童、生徒が動けないのではなく、風が吹くのを待っているだけだ、という考え方から「風待ちキャンプ」と名付けた。今夏で3回目の開催になる。

 到着した子どもたちは五箇地区のログハウスへ移動し、大学生のボランティア8人と合流。福浦海水浴場で魚釣り、自然飼育の養鶏場でニワトリに触れた。

 全員が初対面だが初めから打ち解け、和気あいあいと活動を楽しんだ。夜は一同が車座になって不登校の現状を打ち明け、ボランティアが話を聴いた。岐阜県内から参加した中学2年の男子生徒は「離島に初めて来た。普段は味わえない体験で楽しい」と話した。

 渡部代表理事(60)は「不登校は子どもたちの問題ではない。キャンプ中に『こんな学校なら毎日行くのに』と明かした子どもたちの思いに、大人は真剣に耳を傾ける必要がある」と話した。(鎌田剛)