大転換を迫られる日本の政治はどうなるのか。東京大教授の牧原出氏、元外務事務次官の藪中三十二氏、名古屋商科大大学院教授の大槻奈那氏が今後の行方を展望した。

 -参院選は非改選議席を含め、与党が過半数割れの結果となった。

 牧原 ここまでの大敗を喫したのは、国民が長らく続いた自公政権に明確な「ノー」を突きつけたためだ。要因は二つある。一つは、物価高騰など生活不安への具体的な解決策や、安心感をもたらすメッセージを打ち出せなかったことだ。

 もう一つは、自民党の裏金問題に端を発する政治資金の不透明性や、消費税や社会保険料など負担ばかりが重いことに対する国民の不信感を払拭できなかったことだ。

 藪中 物価高と給付金公約への不満が影響したのではないか。「外国人が優遇されている」との主張に、生活苦を感じる層が共感したこ...