島根県津和野町は28日、枕瀬山森林公園キャンプ場が30年以上前から旅館業法が定める県の許可を受けずに営業をしていたと発表した。15日に判明した後、県の許可を23日付で受け、24日に予約受け付けを再開した。町は営業許可を受けていなかった理由は不明とし、陳謝した。
キャンプ場は管理棟2室、バンガロー2棟、テントサイトがある。このうち1982年建設の管理棟と90年建設のバンガローは、県の営業許可が必要だが、合併前の旧日原町が運営していた建設当時から申請していなかった。申請していなかった理由について、町は当時の担当者がおらず不明としている。
旅館業法は、施設を設け、宿泊料を受けて人を宿泊させる場合、都道府県知事らの許可を得る必要があると規定している。無許可営業は6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金、またはその両方が科される場合がある。
町によると、益田保健所から14日に問い合わせがあった。15日に保健所と町で図面を確認し、許可が必要な施設にもかかわらず、許可を得ていないことが判明した。管理棟とバンガローは保健所が許可施設に対して行う宿泊者名簿や清掃状態の確認を受けていない可能性があるとしている。2024年度の利用者は管理棟2件、バンガロー10件。テントサイトを含め244人だった。
記者会見した下森博之町長は「古い話で片付けられるものではなく、定期的に確認の必要があった。関係者にご迷惑をおかけしおわび申し上げる」と謝罪した。町は他の町有施設も調査し、許可漏れはなかったとしている。
(堀尾珠里花)