知名度ほぼゼロ、はたから見れば「泡沫」候補として始めた参院選だった。一人でも多くの有権者に顔と名前を知ってもらうには、分刻みのスケジュールをこなすことが必須。ところが大阪選挙区から立候補した東修平(36)の陣営は、街頭演説を終えてもすぐに移動することができなかった。本人が演説後、握手を求めに行った先で聴衆との対話をやめなかったからだ。場所によっては演説よりも時間を費やした。あるスタッフが苦笑いする。「こちらも時間を決めて動いているんだよ。『こんなところで話しても票にならないんじゃないの』って思うけど、東から話を打ち切らないんだよね」

 7月の参院選では既成政党が軒並み苦戦し、新興政党が躍進した。政党同士の争いが注目される中、あえて「完全無所属」を前面に出して戦った候補者が東だった。当時としては現職最年少の28歳で大阪府四條畷市長に就き、「権力は腐敗する」と2期で退任。「日本人ファースト」が列島を席巻した傍らで、分断ではなく対話を、と説いた。当選ラインには届かなかったものの12万8000票あまりを集めた候補者の心には、人種...