短歌
◇歌林短歌会(松江市)
酒好きの殿の廟門瓢箪の彫られてをりぬ初夏の風吹く 室〓(崎の大が立の下の横棒なし) 和子
茜雲美雲銀河に星あつめ言の葉麗し島根アジサイ 塩田 直也
紫陽花のなな色の毬みなつきの風に遊べり月照寺の庭 福間美和子
あじさいの花の間に池ありて暗き水面に浮かぶ花びら 安部 歌子
大亀の夜な夜な歩く城下町ハーンの思い時流れても 外谷 一子
ここちよき風吹きわたるあじさい寺の歴史は深し苔むす石段 大西 俊江
杉林の中に大亀首もたげ今にも動く気配見せおり 小野寺仁子
紫陽花のすずやかな色心地よく池に映りて水音さそう 河野 篤子
花毬の彩る寺の径めぐり額あじさいの素朴に和む 宮本美保子
松の間に松江城見ゆる月照寺三百余年城下を見守る 石川 宏子 ◇湖笛島根支部(松江市)
取りたての栄螺は高く潮を吹き身をのり出して流し場を這ふ 宮本久美子
和布刈る箱のめがねに写り込む鳶は悠然と波に弧を描く 川上 富江
窓ごしの天神山のふところにほんのり桃色合歓の花咲く 金津須賀子
呑...